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研究シーズ名
日本の女性リーダーのキャリア研究
分  野 社会学
キーワード キャリア、資源動員、ライフコース、ジェンダー
研究者名 渡邉 深
Watanabe Shin
職  名 教授
所  属 総合人間科学部
社会学科
連絡先
URL

概    要
 女性の地位向上は、日本の政策的課題として取り組まれ、その支援策が実施されつつあるのが現状です。
 そこで、本研究は、女性リ-ダ-を「指導的地位を達成した女性」と定義し、ビジネス、政治、政府、教育、非営利などの各領域において指導的地位を達成し、活躍する女性に着目し、女性リ-ダ-のキャリア形成の過程に焦点を当てるものであります。つまり、本研究の目的は、女性がキャリア形成を通じて資源を動員し、リ-ダ-としての指導的地位を達成する過程を分析することです。本研究の研究課題は、女性リ-ダ-のキャリア形成過程において4つの資源(人的資本、文化資本、社会関係資本、経済資本)がどのように動員され、どのように活用されるのかであります。すなわち、女性リ-ダ-が幼少時代から現在まで、家庭、学校、職場などにおいて、どんな資源をどのように獲得し、地位達成のためにどのように動員したのかについて考察します。本研究において、現代女性のロ-ルモデルとしての「女性リ-ダ-」のキャリア形成過程を分析することによって、女性が指導的地位を達成するためにはどんな資源を動員すべきなのかが明らになると考えています。
 今までの女性リ-ダ-の研究では、キャリア形成のための資源が明確に定義されてきませんでしたが、本研究では人的資本、文化資本、社会関係資本、経済資本という4つの資源に着目し、女性リ-ダ-のキャリア形成過程における資源動員について考察します。

 調査方法としては、4つの資本の獲得と地位達成過程について自由な質問、回答を行う、フォ-カスト面接法を用いました。特に、女性リーダーが幼少時代から現在まで、キャリア形成を通じて、家庭、学校、職場(初職から現職までの職歴)において、資源をどのように獲得し、地位達成のためにどのように動員したのか、および女性リーダーの家族ライフイベント(結婚、出産、離婚、再婚など)について詳細に面接を行いました。調査期間は2012年6月から2014年6月までの2年間で、分析対象は、114名の女性リーダー、内訳は、①39名の女性管理職、②69名の女性起業家、③9名の女性経営者です。
 抽出されたサンプルは、便宜サンプリングと機縁法の併用による非確率サンプルです。本研究は、母集団の特性を推測するための調査ではなく、女性リーダーのキャリア形成過程における資源の獲得と地位達成に関する詳細な事例研究です。
 本研究は、渡辺深と共同研究者の李侖姫によって行われています。特に、女性起業家のキャリア形成に関する研究は、2011年度日本経済研究センター研究奨励金の助成(研究責任者:渡辺深)によって遂行できました。

現時点での研究成果は、下記のように、女性起業家のキャリア形成の調査結果を分析し、李侖姫の博士論文として完成しました。現在は、女性管理職と女性経営者のキャリア形成についての分析が進行中です。この分析が終われば、女性リーダーのキャリア形成についての著書として調査結果全体をまとめる予定です。
 
今後の発展性
将来は、韓国の女性リーダー、あるいは、中国の女性リーダーのキャリア形成について研究したいと思っています。女性リーダーのキャリア形成に対して、文化的要因、ライフコース要因、ネットワーク要因などが与える影響について考察したいと考えています。
関連特許・論文等
李侖姫(イユンヒ)、2016年3月、『日本の女性起業家のキャリア形成:事例研究』、上智大学総合人間科学研究科社会学専攻、博士学位論文

お問合せ先
上智大学学術情報局研究推進センター
TEL:03-3238-3173 E-mail:g_rant@cl.sophia.ac.jp