研究シーズ名
医薬品候補化合物の合成
分  野 有機化学
キーワード 創薬、有機触媒、ヘテロ環
研究者名 鈴木 由美子
Suzuki Yumiko
職  名 准教授
所  属 理工学部
物質生命理工学科
連絡先
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概    要
 医薬品探索・開発に直結する実践的合成法の開発および新規医薬品開発を目的とします。有機分子であり低環境負荷な触媒・含窒素複素環式カルベン(NHC)を用いた反応を利用します。
≪研究テーマ例≫
1)抗がん活性天然物 termicalcicolanone A, Bの全合成研究:基本骨格であるキサントン環構築の出発化合物であるベンゾフェノン誘導体の合成をNHC触媒反応により効率化します。
2)多剤耐性黄色ブドウ球菌(MDRSA)に対する殺菌作用のある citreamicin δ, ε,ηの全合成研究:様々な有機分子触媒を利用して全合成を行い、新しい概念による全合成経路を提示します。
3)医薬品に頻出する複素環骨格の合成法開拓:多段階反応を連続して一つのフラスコで行うワンポット法による効率的な合成法を確立しています。
4)抗がん活性化合物の構造最適化を目指した誘導体合成:NHC触媒反応を用い合成されたキナゾリン誘導体が市販の抗がん剤・タキソールに匹敵する高いがん細胞増殖阻害活性を持つことを見出しました。

応用例
・NHC触媒反応を用い、複数のキサントン天然物の全合成に成功しました。キサントン類には抗がん活性や抗菌・抗酸化作用を持つものが多く存在します。私達が開発した合成法を応用すれば、種々の生物活性物質を有するキサントン天然物の全合成が可能と考えられます。
今後の発展性
・生物活性キサントン天然物の合成からは新たな医薬品シード(種)化合物の創出が、キナゾリン化合物PVHDの誘導体合成からは新規抗がん剤の開発が期待されます。
・含窒素複素環化合物の入手を容易にし、創薬研究に優れた化合物ライブラリーを提供します。
・高効率かつ環境負荷の少ない実用的な有用物質合成法確立は有機化学の最重要課題であり、有機触媒を用いる合成法の開発は時代のニーズに応える最良の手段の一つです。実践的な有用物質(医薬品)合成への有機触媒反応の利用は、新薬開発、コスト削減、低環境負荷な合成法の提供につながります。
研究設備
核磁気共鳴分光計(NMR)、質量分析計(MS)、元素分析、高効率液体クロマトグラフィー(HPLC)
赤外分光光度計(IR)、旋光計、円二色性分散計(CD)
共同研究・外部機関との連携への期待
癌や感染症を治療する新しい薬の研究
関連特許・論文等
「キナゾリン化合物を有効成分とする医薬組成物」 Jpn. Kokai Tokkyo Koho, JP 2011178753 A 20110915 (2011)
Y. Suzuki, Y. Fukuta, S. Ota, M. Kamiya, M. Sato, “Xanthone natural products via N-heterocyclic carbene catalysis: Total synthesis of atroviridin” J. Org. Chem., 76, 3960-3967 (2011).

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上智大学学術情報局研究推進センター
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